

小國神社の神様は大己貴命です。大国主命または親しみを込めて大いなる国の神様、大国様とも呼ばれています。




それから随分と月日が経ちました。
大国様は国を作る神様として風に乗り、雲に乗って日本の国を飛び回り、人々が住みやすいところをどんどん増やしていきました。ウサギは大国様の旅のお供をしていました。ある時、ウサギが指さしていました。大国様あの輝くお山素敵ですよね。

山や川や海に囲まれていい場所だね。あの辺りも人が暮らしやすい場所になりそうだ。大国様はその山目指してひとっとび、その山の頂上に降り立ちました。
ああいい眺めだ。ここから見える全てが豊かな恵みで溢れるよう水よいでよ。







と持っていた小づちをひょいと振ると、底から水が湧き出しました。水は川となってふもとに向かってさらさら流れていきました。
山は大いに活性化し、草木の芽はどんどん顔を出してきました。その芽がぐんぐん伸び、太い木になり、みんな背伸びの競争です。みるみるうちに山は木でいっぱいになりました。

大国様はもう一度、小槌を振りました。この地を守る社よ出よ。ふもとの村人たちは、心を一つにして、本宮山の山頂に大国様をお祀りするお社を建てました。
このお社を「神の住む美しいところ」を意味する小國神社と名付けよう。このお社は、今では小國神社の奥宮の「本宮山 奥磐戸神社」として大切にお祀りされています。







山から流れ出た川が下流に行くに従い、だんだん大きくなりながら、ふもとの村をゆったり流れていきました。土地は瑞々しく豊かになり、田んぼや畑にはお米や野菜がいっぱい実りました。
これは大国様のお恵みだ。人々はたいそう喜んで採れた作物をたくさん持って神社に感謝のお供えもしました。
また、川は山の栄養分をたっぷり海に運びますから、魚たちもぐんぐん育ち、漁師さんたちも魚がいっぱいとれて大喜びです。

でも、時には海が荒れて沖に出た漁師の船が大波に流されてしまうこともありました。
わしらはどこをさまよっているだ。ここは一体どこだ。漁師たちが困っているとあそこを見てとウサギが指差したその先に光が。







大国様が降り立ったあの山が暗闇の中で輝いているのです。あれは小國神社の本宮山だ。あれを目印にすりゃ港に帰れるぞ。本宮山が遠く離れた海の道の案内役にもなっていたのです。

無事を喜んだ漁師さんたちも待ったとれた魚を山ほど、担いで大国様にお供えして感謝の気持ちを伝えました。




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