top of page

小國神社の神様は大己貴命です。大国主命または親しみを込めて大いなる国の神様、大国様とも呼ばれています。

小國神社ものがたり

それはそれは遠いむかし、大国さまがお兄さんたちの荷物をかついで、長い道のりを歩いていると、浜辺で一ぴきのうさぎがしくしく泣いていました。

「おやおや、赤はだかのうさぎさん、いったいどうしたの?」

小國神社の神様は大己貴命です。大国主命または親しみを込めて大いなる国の神様、大国様とも呼ばれています。

でも、いつの日にかむこう岸へ行ってみたいと思って、さめに声をかけたんです。
「さめさーん、うさぎの数とさめの数、どっちが多いかくらべっこしませんか。私が数えてあげますから、一列にならんでくださいね。」

うさぎは涙を流しながらいいました。「私の話を聞いてくださいますか。実はわたし、海の向こうのあの島に住んでいたんです。」

ずらりとならんださめの背中を、ピョンピョンとびこえながら数を数えて、あと一ぴきで向こう岸に着くという時につい私は言ってしまったんです。

 

「やーい、だまされた! ぼくは海を渡りたかっただけなんだよ。橋になってくれてありがとさん!」

そしたら、さめさんが急に「よくもだましたな。」って怒って白い毛を全部むしりとられて、このありさまなんです。

それを聞いて、大国さまはやさしく言いました。「そうだったのかい。かわいそうに。でも、さめをだましたのはよくないね。


さあ、ぼくの言うとおりにすれば傷が治るからやってごらん。

まず川の水で体をきれいに洗って、それから、あそこにある、がまの穂綿にくるまってごらん。」
さっそく川に飛びこんで、ジャブジャブジャブ。


ヒリヒリするのが治ってきたよ。それからふわふわの穂綿の中でゴロゴロしているとおや不思議にウサギの体にも木綿のような真っ白な毛が生えてきました。

わーい治った治ったよ元の白ウサギに戻れたよ。大国様は優しい心の方ですね。ありがとう。

bottom of page